ちかごろ好きな茶のはなし

昨年11月に開催された世界お茶まつりで、
世界中のいろいろなお茶をおなか一杯飲みました。
最高のものばかりが集まるお祭りですので、あとは好みです。
その中で、「これは・・・!!」と
ゆかりちゃんとわたしが思わず目を丸くしたのが、
掛川の富士東製茶さんの「山の息吹」というお茶でした。
実はこのお茶はその時売り物ではなく、
お茶会のお茶席の中でいくつか出されたお茶のうちの一つでした。
わたしたちはお茶会が終わってから、そのお茶会を主催されていた富士東製茶さんに、
「〇番目に出たお茶が買いたい」と、お願いしますと、
「今日は売っていない」とのことでした。
実はそのお茶は、市場に出回るほとんどのお茶の品種である「やぶきた」ではなく、
山の息吹と名付けられた、在来種のお茶だったのです。
そしてこのお茶は掛川の世界農業遺産、茶草場で作られていました。
市場には出していないけれど、注文すれば買うことができると聞いて無事に買うことができました。
それからその「山の息吹」を寺かふぇkonoyoでも家でも飲んでいます。
わたしは小さいころから深蒸しのお茶を飲んできたので、こういう緑緑した、甘さ・苦味・渋みすべて濃いお茶が好みのようです。
催しの時も大変ご好評をいただいてます。
山の息吹がきっかけで、茶草場について興味がわいて調べてみました。
茶草場には、人の手が入ることで守られている独自の豊かな生態系があるそうなのです。
富士東製茶さんをはじめいろいろな方々がそれを守ろうと大変な努力をされています。
そして、自然に人の手が入るということは、=破壊、という悲しい図式がわたしの中ではありましたが、
茶草場のことを知って、そうばかりではないのだなと心があたたまる思いがしました。
茶草場農法という伝統、豊かな生態系、静岡らしい景観を守りつつ、おいしいお茶を作っているなんて、
本当に頭が下がる思いです。
とまれ、山の息吹は美味です。
今年の新茶も楽しみです。